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3D プリント フード: 好奇心をそそる料理?つかの間の流行?
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3D プリント フード: 好奇心をそそる料理?つかの間の流行?

3D プリント フードがどのように市場投入され、また特定の業界が恩恵を受ける可能性があることを紹介しています。

by Michael Petch
製造 - 2016年10月17日
3d プリント フード
[提供: 3Digital Cooks (写真 1), 3dChef (写真2-3)]

食物とテクノロジーは長きにわたる、ときに緊張感をはらんだ関係を持っている。火を利用することは人類の進化へとつながった。だがその他のテクノロジーが提供するのは、くだらない「シングルタスク」のガジェットの数々から、過度に処理されて栄養の失われてしまったコンビニ フードまで、メリットを大幅に下回るものばかりだ。では、いま味覚に標的を定めつつある、新たなテクノロジーはどうだろう? そう 3D プリント フードだ。

この新興のテクノロジーに注力する新企業や製品、カンファレンスの数は過剰なほど多く、まるで新時代が到来するかのようだ。3D フード プリンティングは、材料の新たな組み合わせ手法による作業時間の短縮や、栄養上の特定の目的に合わせた食物の加工、培養細胞のプリントによる人工食肉製品の製造など、さまざまな形で利用されている。プリントの手法には、押出、バインダー ジェッティング (結合剤の噴射)、粉末焼結などがある。最終的な産物は、オーブンで焼き上げられることも、調理が工程の一部であることもある。とはいえ、これが一過性のトレンドなのか、より永続的な転換なのかは、現状ではまだ分からない。

BeeHex, Inc. は新しい 3D プリント フード企業のひとつで、同社は SXSW 2016 でピザ プリンターをローンチした。この会社は、突拍子もない思い付きで設立されたのではない。数名のブレーンが、従来とは異なる手法での食糧生産について考えを巡らせた結果なのだ。共同設立者兼 CEO のアンジャン・コントラクター氏は、2013 年に NASA の助成を受け、NASA 初の宇宙飛行士用ピザ プリンティング ロボットを構築している。

3d-printed food BeeHex pizza
BeeHex の 3D プリント ピザ [提供: BeeHex, Inc.]

BeeHex の CMO 兼共同設立者であるジョーダン・フレンチ氏は「医療専門家たちは、宇宙空間における宇宙飛行士の食生活をうまく調整して、より良い影響を与えたいと考えています」と語る。「3D プリントなら、その要件を満たすことができます。カロリーと栄養の配分を正確に調整して準備可能だからです」。

宇宙飛行士の栄養摂取の要件を規格化するだけでなく、BeeHex テクノロジーはその活動範囲を、商業的な応用にも最適な分野にまで着実に拡大している。「3D プリントを適切に応用すればスペースと時間を節約し、無駄を削減できます」と、フレンチ氏。「例えば BeeHex プリンターの設置スペースはわずか 0.2 平米ほどで、通常の方法で食事を準備する場合に比べると、指定時間内に約 1.5 ~ 2 倍の食事を生成できます。また 3D プリントは、コンシューマーのカロリーや材料、形状に対するニーズへより正確に対応でき、無駄も削減できます」。

現在、3D フード プリンティングへの関心の多くがメイカー コミュニティから生まれているのも驚きではなく、ジェイソン・モスブルッカー氏や、以前 Autodesk Artist in Residence へ参加者していたルイス・ロドリゲス氏らが、このテクノロジーを取り入れている。彼らは現在、3Digital Cooks ポッドキャストを主催している。

3D プリント フード Autodesk Artist in Residence ルイス・ロドリゲス
Autodesk Artist in Residence でのルイス・ロドリゲス氏の作業風景 [提供: 3Digital Cooks]

「3Digital Cooks は、3D フード プリントを通じて新たな食体験を生み出すスタジオです」と、モスブルッカー氏。「現在 3Digital Cooks では、家庭で使用できるものに注力しています。より多くの人々に 3D フード プリントの世界へ参加してもらえるよう、このポッドキャストが誠実かつオープンで、味覚を刺激するものであり続けることを願っています」。モスブルッカー氏とロドリゲス氏は、自身のウェブサイトにレシピを公開したり、3D フード プリントの方法を説明するワークショップを主催したりもしている。

このデュオは、2015 年にオランダ・フェンローで開催された初の 3D フード プリンティング カンファレンスで実際に会うまでの約 1 年間、オンラインでコラボレーションを行っていた。このカンファレンスでは、3D プリント フードという枠組みで取り組む可能な、幅広いトピックが紹介されている。

2016 年のカンファレンスは byFlow が準備した 3D プリントの食事で締めくくられ、そのメニューにはエア キャビアや秘伝のエビなどが含まれていた。この終日イベントで行われた様々なプレゼンテーションでは、肥満への取り組みや食の安全の問題、大量生産の食品工業における 3D プリントの応用などが取り上げられた。

3D-printed food byFlow printed meals
2016 3D フード プリンティング カンファレンスで、byFlow プリンターによる料理の準備中 [提供: Jakajima]

カンファレンスのプレゼンターを務めた、フード プリント企業 3dChef のジュリアン・シング氏は、この新たな領域を取り巻く熱狂に警鐘を鳴らしている。「食物をプリントできるだけでは、十分とは言えません」。シング氏は、このテクノロジーが食習慣に関する均質性、効率性、カスタマイゼーション、教育の各分野にもたらす、長期的な付加価値を見出したいと考えている。

「あらゆる企業が実現に向けて奮闘しているのが、均質性です」と、シング氏。「例えばクッキーの生地は、一度に大量の材料が混ぜ合わせられ、その後でオーブン内を通過するベルトに載せられます。生地の均質性は個々のクッキーで異なり、クッキーの高さにも若干の差異が生じて、それが焼き時間と全体的な見た目に影響します。生地をプリントできれば、クッキーひとつひとつを全く同じ形状と高さに成型し、より正確に焼き上げて均一な焼き色にすることができ、生産廃棄物をゼロに近づけられます」。

3D-printed food canape 3Digital Cooks
[提供: 3Digital Cooks]

焼き型については、オランダの独立委託研究機関 TNO で上級研究員を務めるキエルト・ファンボメル博士が、かなりの研究を行っている。ファンボメル博士はフェンローでのスピーチで、TNO の 3D プリント フード研究ではテクスチャーが重要な部分であると説明している。3D プリンティングを用いることにより、ハニカムなどさまざまな構造が可能となる。そうした構造を作成することで、3D プリント フードは、通常の食物で得られる食体験を再現できる。この研究は、次世代プリンターを特徴付けるものになるだろう。目標は、焼き型から保存まで、質感の全側面をコントロールできるようにすることだ。

ノッティンガム大学博士課程の学生、ソニア・ホランド氏も 3D フード プリンティングを研究している。氏の研究はセルロースに注目している。セルロースは有機物で、食べると満腹感を与えるが、難消化性でありカロリーには影響しない。ただし、そのままの形態だと食事に取り入れることが難しく、コンシューマーへの売り込みは難しい。ホランド氏は、3D プリントを使用した口当たりのよい食物を作成できるよう、セルロースを扱いやすい形態へと分解するためボールミルの活用を研究中だ。その応用により、コンシューマーに満足感を与え、間食の誘惑を妨げる新たなダイエット フードなどが考えられる。

こうしたイノベーションはダイエットの世界では興味深く有益であるが、最も注目を集めるのは、より伝統的な食事であることも多い。特にチョコレートは、3D フード プリンティング コミュニティから熱い視線を浴びている。その理由のひとつは、チョコレートが扱いにくい素材である点だ。その気難しさを、3Digital Cook のモスブルッカー氏は「ドラマのヒロイン」と評している。

3D プリント フード 3DChef タイプライター 電話
複雑なディテールを持った 3dChef の 3D プリント砂糖菓子の例 [提供: 3dChef]

その理由はテンパリングにある。テンパリングとは、チョコレートに艶や質感、ある程度の風味を与えるための手順だ。シング氏は、適切にテンパリングされたチョコレートをうまく、かつ均一に 3D プリントすることが、大企業の究極の目標だろうと述べている。

モスブルッカー氏は「ウェアラブルが冷蔵庫、冷蔵庫がオーブン、オーブンが 3D フード プリンターとコミュニケートする」し、起床時や仕事からの帰宅時に、栄養的に最適化された食事が用意されているような未来を思い描いている。また、遠隔地における人道的支援のための 3D プリンティングも考えられる。

災害救助からサービス業での用途まで、この分野での巨大な可能性を考えると、3D プリントと食物の間には長く調和のとれた関係が続きそうだ。

#3Dプリント - #メイカー - #工業デザイン - #製造プロセス
マイケル・ペッチは 3D プリント テクノロジーに関する数冊の書籍を刊行しており、また国際会議で定期的にスピーカーを務めています。
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