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維持管理BIMが強化する設計者・オーナー間のサステナブルなフィードバックループ
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維持管理BIMが強化する設計者・オーナー間のサステナブルなフィードバックループ

BIMを維持管理に活用し、より良い設計、施工、運用のためのフィードバックループを生み出すオーナーが起こす、AEC分野における次なる大きな変革とは。

by Nicolas Mangon, Autodesk VP
建築 - 2022年7月5日
bim for maintenance
BIMとデジタルツインにより、設計者と所有者は現在の運用を最適化し、将来のプロジェクトに情報を提供する建物についての継続的な知見を共有できる
  • BIMは主に設計と施工のツールになってきた。だがBIMとデジタルツインは設計から運用に至る無限のフィードバックループを生み出し始めており、運用データが新たな設計に反映された、持続可能な未来の実現を後押しする。
  • もはやオーナーは傍観者ではなく、この次なる変革を推進する原動力であり、引き渡される全ての建造資産のデジタルツインを必要とするようになるだろう。
  • このフィードバックループを、プラットフォームが支える。

AEC (建築、エンジニアリング、建設) 業界に大規模な破壊的変化が訪れつつあり、それをビルやインフラのオーナーが推進力する。このパラダイムは、理に適ったものだ。業界の断片化に不均衡なまでの支払を課せられているオーナーには、増大する需要を前にして、効率性と持続可能性を向上させる最大の動機がある。

次のような状態を想像してみよう。建築家、エンジニア、施工会社が共通データ環境の下で連携し、BIM (ビルディングインフォメーションモデリング) で支援された、サイロのない環境でアセットを構築。そして、物理アセットとともにオーナーへデジタルモデルを引き渡す。連携はそれだけに留まらない。デジタルツインが行動可能な知見を生みだすことにより、オーナーは運用を最適化し、現実のフィードバックを建築家やエンジニアに伝えて、将来の設計に反映させることができる。これはまだ一般的ではないものの、未来の姿を示している。

プラットフォームへの道となる。だがBIMは設計と施工に重きが置かれており、その貴重なデータが竣工後には活用されていない。もし、データがその他も活用されるとしたら? プラットフォームが、資産の運用やその先にまで広がるとしたら、どうだろう?

オーナーとオペレーターは、維持管理におけるBIMのメリットを理解し始め、建設の新しい時代の到来を歓迎している。近い将来、デジタルツインは資産のライフサイクル全体でキャプチャした情報を建築家やエンジニアにフィードバックし、より効率的かつ持続可能な結果をもたらすデータ主導のフィードバックループが生み出されるようになるだろう。

bim for maintenance
サステナビリティ目標、進化するリモートワークモデル、テクノロジーを駆使した設備管理という3つの要因がデータのフィードバックループへの移行を促進している

変革の舞台は整った

AEC分野における全ての変革には、必ずきっかけがある。まず、パソコンによってCAD (コンピューター支援設計) が可能になった。次に、BIMによって部門間の連携が促進された。さらにクラウドでワークフローに革命がもたらされ、そのトレンドはパンデミック中に加速した。そして今、この業界における次のディスラプションが目の前に迫っている。それは、プラットフォームによるデータのフィードバックループだ。

この変化に、次の3つの要因が拍車をかけている。

1. 変化に対する需要

2050年までに100億人へ達すると予測されている世界人口に住居を提供するには、毎日13,000棟のビルを建設する必要がある。建物の建設と運用が世界の温室効果ガス排出量の30%を占め、天然資源の枯渇や異常気象の増加の原因となっているのだから、サステナビリティは最優先事項でなければならない。

2. 業務の進化

仕事の本質が変わりつつある。リモートワークはすっかり普及し、設計・施工プロジェクトでハイブリッドなワークモデルを採用するケースが増えてきた。柔軟な運用ができるよう建物を再構築したり、空間利用のデータを将来のプロジェクトに適用したりするなど、より良い結果を得るためにデータを活用したいと考える人が増えている。
技術的な解決策を統合するクリエイティブな方法を模索する人が増え、オーナーは設計・施工プロセスに関与を深めるようになってきた。

こちらもオススメ: デジタルプロジェクトデリバリーが指し示す未来への道

3. デジタル技術の加速

AI、機械学習、デジタルツイン、メタバースといったテクノロジーの急速な台頭により、AEC分野における次のディスラプションが目前に迫っている。例えばAIはARと密接に関連しており、設計、施工、運用の各分野で応用されている。

では、変革はいつ起こるのだろうか? それは、もう始まっている。その駆動力は? オーナーとオペレーターだ。

変革の支持者としてのオーナー

建築家や施工会社は、既に特定のタスクや目的の支援にBIMを使用してきている。例えば建設会社は検収や積算用に3Dモデルを作成している。だが、こうした企業のニーズは、資産の日常的な機能に何十年にもわたって対処するオーナーやオペレーターとは、全く異なるものだ。オペレーターが受領するプロジェクトのデータは、2次元図面やUSBメモリに保存されたファイルなどアナログなものばかりで、そこからさらなる知見を生み出すことのない、断片的かつ動きのない情報であることも多い。彼らに必要なのは、そうしたものでなくデジタルツインだ。

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デジタルアセットモデルにより、オーナーは設計プロセスの早い段階で知見を獲得して意見を提供できる

デジタルアセットモデルは、オーナーが求める以下の4つのものを提供する。

1. 設計・施工段階でプロジェクトをダッシュボードで理解できるデジタルモデルを使用して知見を獲得し、意見を提供
2. より良い意思決定を行うため、運用をリアルタイムで監視
3. 次のプロジェクトを計画するため、運用知識を再利用
4. 初日から運用準備を万端に整えるため、利用可能な新築・改築設備の資産データ全てをデジタル形式で所有

Autodesk Tandemなどのデジタルツインソリューションはオーナーに、プロセスのより早い段階での主体性を提供する。これにより、オーナーは空間の最適化やエネルギーのモニタリングなど求める結果を特定し、その目標を支援する形で情報を整理できるようになる。こうした目標により、長期的な設備管理に必要な詳細度の高い表やグラフなど、建築家やエンジニアが必要とするデジタルモデルが導き出される。

よりスマートな設備、より良い意思決定のためのBIM

設備管理にBIMを活用する目的は、3Dビジュアライゼーションとリアルタイム分析を通じて、資産をより深く理解し、パフォーマンスを監視する能力を獲得することにある。BIMベースのデジタルツインでは、例えば遮断弁の位置を正確に表示することによる緊急時対応の迅速化や、室温の視覚的な表示によるオーナーの居住状況に応じたエネルギー使用量の調整が可能だ。数十億のデータポイントをキャプチャするIoTとAI、センサーによってデジタルツインはダイナミックなものとなり、常に新しい知見を提供するため、オーナーは運用コストの削減と脱炭素化の推進に向けた、より良い意思決定を行えるようになる。

これらのデジタルモデルは双方向性を有している。オーナーはモデルを使用して運用を計画・実行するだけでなく、iOFFICE + SpaceIQのArchibusなど、メンテナンス情報、ビルシステム、作業票、エネルギー性能など施設管理に関連するすべてのプロセスを網羅するIWMS (統合職場管理システム) 内でデジタルツインを表示できる。このデータはBIMに戻され、デジタルツインが最新の状態に保たれる。この情報がマッピングされていない点は課題だが、BIMはIWMS情報を、位置情報と共に物理空間に関連づける。例えば保守伝票は設備内のエリア毎に整理されるため、作業者の移動回数を減らすことができる。

常時更新されるデジタルツインを使用することで、オーナーは現在の運用を、従来の状況と照らし合わせて理解できる。こうしたコネクトされたデータ全てが、冗長性や手直し、勘違いの排除に役立つ説明を提供する。資産価値の8割は、稼働中に生み出されるものだ。外部システムや地理空間システム、建物やインフラシステムなどの運用データが加わり、より精度の高いデータセットが生まれることで、オーナーはより適切な判断を下し、建築家やエンジニアはより良い設計を行うことができるようになる。

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デジタルツインを使用することで、建築家は今後の設計にビルメンテナンスのフィードバックを反映させることができる

コミュニケーションのループを閉じる: 運用から再び設計へ

コネクトしたデータは、資産のストーリーを語るようになる。現在のところ、AECのワークフローのほとんどは断片的かつファイルベースであるため、短編小説のようになっている。建築家が新しいプロジェクトを始める際に、自分のデザインがどう機能するのかについて、何の基準もないことが多い。例えば、窓のエネルギー効率は推定通りだろうか? だが資産のストーリーへ完全にアクセスできれば、次のプロジェクトでは、よりエネルギーを意識した選択ができる。

共通データ環境は、設計から運用、そしてまた設計へと全てのピースをつなぐため、ライフサイクル全体にわたり横展開が容易になる。そうなれば、建築家はAutodesk Spacemakerなどのジェネレーティブデザインプログラムを使って現実世界とデザイン世界を比較し、実際の性能データを次なるデジタルモデルへつなぐことができる。

一方、Archibusなどのツールでは、資産が稼動しはじめた後、そのデータを長年にわたって取得、監視ができる。そのデジタルツインに組み込まれたデータは、時の経過と共に計画段階にフィードバックできる。例えば、ある空間で生活、就労する人が、窓の配置や機能が実用的でないことに気付いたとしよう。ビルの設備管理者は複数の苦情やメンテナンスの依頼を時系列で記録し、その情報はデジタルツインに保存される。これまでは建物の稼働後にデジタルフィードバックを収集する手段がなかったため、そうした問題を空間を設計した建築家が把握することはなかった。だが、設備管理からBIMへのフィードバックループがあれば、その建築家が二度と同じ過ちを犯すことはなくなる。

こうした次なる時代には、建築家、エンジニア、施工会社、オーナー/オペレーターはプラットフォームを利用して、知見を設計世界から建造世界へ、そして再び設計へともたらすこととなるだろう。これは持続可能な未来を推進し、より良い世界を実現するために、次の世代へと知恵を伝えるということなのだ。

#AI - #AR - #クライアント マネジメント - #ビッグデータ
オートデスクのビジネス ストラテジー&マーケティング部門で AEC を担当するバイス プレジデント、ニコラ・マンゴンは建設・エンジニアリング業界の BIM をグローバルに推進するリーダー。
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