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Catapult Design の成功の秘密: 明日のテクノロジーに対する忍耐と理解
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Catapult Design の成功の秘密: 明日のテクノロジーに対する忍耐と理解

デンバーを拠点とするインパクトデザイン事務所Catapult Designが、途上国におけるリソースの限定されたプロジェクトを忍耐と新たなテクノロジーで実現。

by Timothy A. Schuler
サステナビリティ - 2016年6月5日
Catapult Design はインド・ラジャスタンで、クライアントである社会的企業 Wello に対して水利用に関する調査を行った [提供: ノエル・ウィルソン]

既にペースアップしていた現代の生活が、電子メールや携帯電話といったテクノロジーにより、手に負えないほど壮絶に即時性とすぐに得られる喜びが要求されるようになった。これは誰もが同意するところだろう。

ピュー研究所は「過度につながった (ハイパーコネクテッドな) 」人々は忍耐力に欠ける場合があると警告している。また心理学者のフィリップ・ジンバルドーはソーシャルメディアを使用したいという衝動を「当面快楽主義」と呼び、テクノロジーへの過度の依存が時間知覚を実際に変化させると論じている。

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Catapult Design はインド・ラジャスタンに滞在し、Welloの水輸送システム WaterWheel の機能向上に助力 [提供: ノエル・ウィルソン]

インターネットや他のテクノロジーにより、人々の業務やコミュニケーションはより迅速なものになる (もしくは、そうなるように追い込まれる) が、Catapult Design のクリエイティブ ディレクターであるノエル・ウィルソンは、そのことと最先端テクノロジーの活用と忍耐は、相容れないものではないと唱えている。事実、デザイナーにはテクノロジーと忍耐の両方が必要とされる。特に、コストへの配慮が必要であり、利益の最大化ではなく生活の質の向上を最終目標とする、社会革新の分野に取り組むデザイナーの場合は。

Catapult Design は、非営利のデザイン事務所で、ガーナなど、リソースが限られた開発途上国でのプロジェクトに特化している。ウィルソンは西アフリカの企業Burro、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と連携し、キャッサバの根から作られるガリという、 西アフリカの食卓には欠かせないクスクスに似た食物の生産のため、より安全で分散型の食品加工装置を開発している。

Catapult は、ケニアの送電線網外のエリアに住む家族に向けた One Degree Solar との太陽光ランタンと住宅用太陽光設備のデザインや Innovations for Poverty Action との手洗い用具 (こちらもケニア)、Wello とのインドでの水輸送用具および貯水用具、ナバホ・ネイションに対する企業家精神ガイドなどのプロジェクトも行っている。

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3Dプリンターで作成した改良型 Wello WaterWheel の縮小プロトタイプ [提供: ノエル・ウィルソン]

デンバーを拠点とするこの事務所は、コミュニティにしっかりと根差して信頼を得ている、プロジェクトの目的に適合した市場をターゲットとする地元のパートナーと常に連携している。2012年から2014年にかけて、ウィルソンは少なくとも12カ月をインドネシアで過ごし、現地のパートナーや企業家と連携して、僻地における再生可能エネルギー設備へのアクセスの向上に取り組んだ。

Catapult Design の成功の大部分は、そのアプローチに起因している。それはシリコンバレーのコーポレート デザイン事務所で用いられている反復プロセスのように厳密でありながら、デザインの提供先である多様な組織や事務処理、コンテキストに適応できる順応性が保たれている必要がある。

「こういったプロジェクトがなければデザイナーと関わりを持つ機会さえないであろう組織や団体のためにデザイン業務を行うこと自体が、どんなデザインの定義よりも我々を独自の存在にしていると思います」と、ウィルソン。この世界でデザイナーとクライアントに何よりも必要なのは、無制限の予算でも特許取得済みのプロセスでもなく、忍耐だと彼は話す。「特に長年に渡って変化がなかった場所においては、反復とイノベーションに関する忍耐が極めて重要です」。

この事務所は早い段階から現実的な時間枠を確立し、プロジェクトの予算の一部をプロトタイプ作成や実験、長期モニター用に確保するよう、クライアントへ積極的に働きかけるようにしている。「プロダクトに関しては、大帝の の場合、そのメリットを2、3年では正しく評価できません」と、ウィルソン。「これは、人によっては非常に受け入れ難いことです」。

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ケニアの Innovations for Poverty Action 向けに Catapult Design が作成した手洗い場のコンセプトスケッチ [提供: ノエル・ウィルソン]

ここでもプロセスには忍耐が要求されるが、それは必ずしも簡単なことではない。「結果を目にしたいのは、私も同じです」と、ウィルソンは認める。「私もせっかちな方ですから」。頭を業務でいっぱいにしないように努めることで、彼は我慢することを自ら学んだ。

「熱意を持ってプロジェクトに取り組むことは重要ですが、仕事に取り付かれてしまい、進捗にいらだつようではいけません」と、ウィルソン。「別の誰かに主導権を譲ることができるようにならなければなりません。管理を、変更を行う製造会社や、クライアントに任せるのです。あなたはプロダクトの管理者ではなく、プロジェクト進行過程における、単なるインフルエンサーです」。

忍耐が疑いようのない長所であるのと同じ理由で、テクノロジーは必須の資産だ。「私たちは小さな予算で高い理想を掲げているため、プロセスはできるだけ効率的でなければなりません」と、ウィルソンは話す。次第に、高速プロトタイプのような次世代の製造手法や Autodesk Inventor、Autodesk Fusion 360 といった設計ソフトウェアが答えを提供するようになりつつある。「5年も経てば、こういったツール無しでデザインしていたことなど、誰も知らない世の中になるでしょう」と、ウィルソン。

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ケニアの手洗い場プロトタイプの初反復検証風景 [提供: ノエル・ウィルソン]

3Dプリント (これまでSF映画の中だけの話、あるいは高価で贅沢なものとして受け止められていた) などの手法を使用することで、Catapult のデザイナー陣は、より早く、それ故により効率良く作業を行うことができるようになった。「3Dプリントは、プロトタイプ作成のスピード、人々がリアルに感じられる何かを作成できるようになるまでのスピードを向上させているため、実際にはより多くの反復を促進しています」と、ウィルソン。だがこれは両刃の剣でもある。プロトタイプがリアル過ぎると、クライアントはそれ以降の反復への興味をあっさり失う可能性がある、とウィルソンは話す。

歴史を通じて、人間は新技術に適応してきた。また人口が急増を続ける開発途上国にとって、新技術はかつてないほど重要となっている。「こういった問題を解決するためのパズルは、新しいテクノロジーを理解することにあります」と、ウィルソンは話す。「これは、特にジェネレーティブデザインについて考える際に興味深いものとなります。人工知能が、人間には思い付かないような代替案を出せる段階に近づきつつあるのです」。人工知能はまだこのプロセスに組み込まれていないが、その間も Catapult Designは、開発途上国のコミュニティに関連する豊富な代替案を提供し続けることだろう。

#3Dプリント - #サステナビリティ - #プロダクト デザイン - #工業デザイン
ティモシー・A.シュラーはホノルル在住。建築とエコロジーに関する執筆活動を行っています。
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