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コラボレーションの文化を育む建築のデジタライゼーション 5 例
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コラボレーションの文化を育む建築のデジタライゼーション 5 例

by Kim O’Connell
建築 - 2020年4月23日
建築 コラボ チーム cannondesign
CannonDesign のチームは VR や他の可視化ツールを使ってコラボレーションを行なっている [提供: CannonDesign]

大手の建築・エンジニアリング事務所が、CTO (最高技術責任者) を置くことは非常に珍しい。CannonDesign は 2017 年、同社初の CTO としてヒルダ・エスピナル氏を迎え、それが大きな分岐点となった。

建築と情報工学、プロジェクト管理をバックグラウンドに持つエスピナル氏は、CannonDesign がテクノロジーを応用し、より優れたデザインと強力なパートナーシップを発展させることに貢献している。彼女はこうしたアプローチが設計者や施工者から建物を使用するユーザーまで、プロジェクトに関わる全ての人の生産性や競争力、収益の向上につながると信じているのだ。これまで企業は差別化という名目で情報を機密扱いにしてきたが、エスピナル氏はこの業界でもコラボレーティブな考え、つまり誰もが最後列から競争に参加できるよう支援する、オープンシェアリング環境が増えつつあると言う。

こうした転換には BIM が核となる一方、取り組みの推進力はプランニングやデザインの専門家を組織内へ招いたシェアリングの文化だと述べるエスピナル氏が、建築家やエンジニア、施工会社、居住者とオーナーのコラボレーションの文化がデジタル化により変革しつつあることを示す 5 つの例を紹介してくれた。

建築 コラボ kaiser permanente radiation oncology center カリフォルニア アナハイム
カリフォルニア州アナハイムの Kaiser Permanente Radiation Oncology Center の案件では、医療のプロフェッショナルである CannonDesign の社内スタッフが、デザイナーとコラボレーションを行った [提供: CannonDesign]

1. 情報共有が進化を促進

プロジェクト デリバリーは直線的なプロセスではないが、そうであるかのように提示されることが多いとエスピナル氏は話す。実際には多くの面が繰り返しであり、情報共有の機会も豊富にある。「私は資格を持つ建築家であり、プロジェクトには専門知識が不可欠ですが、それにも限界があります。より早い段階で施工会社の見識が得られれば、建設可能性の現実に関する理解を深め、デザインビルドにおける落とし穴を避けられるよう相互に支援を行うなど、遥かに良好な結果が得られるに違いありません。各部門がバラバラに仕事を進めると、予見する態勢を整えることができないのです」。

設計にコンピューター モデリングが採用された当初、企業は情報共有に乗り気ではなかった。それはテクノロジーや時間、教育、コンテンツ構築に巨大な投資が必要になったからだと、エスピナル氏は話す。だが今やテクノロジーは先進経済圏において、ほぼ全ての人がアクセス可能なレベルまで進化している。エスピナル氏は、モデリングやビジュアライゼーションの効果的な活用方法が各業界で確立されることを願っている。共通のアプローチが導入されれば、プロジェクトの全ての段階で、ずっと迅速に同意を得られるようになる。

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「情報は力となります。それが秘密にされず、共有されるのであれば」と、エスピナル氏。「そうすれば互いの知識を進化させ、向上させることができます。リソースを解放できれば、それは最終的にはビルや都市などに対してもメリットを提供します」。

2. ジェネレーティブ デザインが生産性を強化

ジェネレーティブ デザインは、指定したデータと制約のもとで、ソフトウェアを使って複数のデザイン ソリューションを作成する。これこそがデザインと建設の業界の未来とも言われる。だがエスピナル氏は、こうした変化に一部の建築家やエンジニアが抵抗しており、ジェネレーティブ デザインはロボットによって人間の仕事が奪われることを意味する、という怖れを抱く人がいることも理解している。

実際のところ、ジェネレーティブ デザインは効率を向上させ、デザイナーがプロジェクトに価値をもたらす手法のひとつだ。「我々の最善の行動は、何にジェネレーティブ デザインを利用し、何を自動化して何を自動化しないかという決定に参加することです」と、エスピナル氏。「例えば、現場の駐車スペースを計算する必要があったとしましょう。その作業を、需要の高いデザイナーが行うことが本当に必要でしょうか? 答えはノーです。コンピューターを使い、アルゴリズムを利用すれば十分です。コンピューターは情報や数式、目標、制約を整理して多数の選択肢を生成し、それぞれを評価できます。最適なソリューションが得られるまで改善を続けるよう、学習させることも可能です」。

ジェネレーティブ デザインは、大規模な建設をモジュール化できる可能性を有しており、戦術的にも実践的にもなり得る。世界の人口は 2050 年までに 100 億人に達すると予測されているため、これは必須のアプローチだ。「ジェネレーティブ デザインとは、クリエイティブなプロセスや複雑な形状を生み出す役割をコンピューターに明け渡すことだと考える人が多いのです」と、エスピナル氏。「ですが、最適化に関するジェネレーティブ デザインの優れた可能性を無視してはなりません。複雑度を問わずに大量生産を支援し、それが量的な節約、プレファブリケーションなどにつながるのです」。

設計者は、今後もデザインを牽引する存在でありつづけるだろうと、エスピナル氏は話す。「建築家としての我々の役割は、クライアントの要望に応えるべく四苦八苦することであることも多いのです。こうした仕事を、コンピューターに任せることができません」。

3. コラボレーションは社内からスタートすべき

今後 5 年間で、設計やエンジニアリング、建設分野の各企業内で、さらにデジタル コラボレーションを目にする機会が増えるだろうとエスピナル氏は期待している。連携が進めば、それは他のコラボレーターとの、より良好な情報共有にもつながる。戦略レベルにおいては、全てを意図通りに進められるよう、共有できる情報とそうでない情報について話し合うことから始めるとよいだろう。

カリフォルニア大学サンディエゴ校大学病院 Jacobs Medical Center [提供: CannonDesign]

「知識の共有と収集は、自社内でミクロレベルで拡大していくべきで、また知識のデジタル化への、より集中的な取り組みを推進していく必要があります」と、エスピナル氏。「全知識を頭の中に置いておくだけでなく、どこか別の場所に記録して、利用や共有を可能にする必要があるのです。それが最初の一歩です」。

CannonDesign のポートフォリオにはカリフォルニア大学サンディエゴ校大学病院の Jacobs Medical Center や、カリフォルニア州アナハイムの Kaiser Permanente Radiation Oncology Center などの大規模なヘルスケア プロジェクトが含まれており、医療プロフェッショナル スタッフを雇用するという珍しい措置をとっている。スタート段階からスタッフがプロジェクト デザインに組み込まれており、彼らの業務には最初期から入居後までの顧問業務や設備最適化が含まれている。

4. ビジュアライゼーション ソフトウェアの時代

クライアントとのコラボレーションには、様々なアプローチ手法がある。例えばトロントのヨーク大学に学生センターを新設した際、CannonDesign はインクルージョンとウェルネスがデザインの中心となるよう、11,000 名の学生をプロセスのあらゆる局面で関与させた。デザイナーは図面をボキャブラリーとするよう訓練されており、建物の断面図や立面図を提示して、それが何を意味するのかをプロジェクト関係者に伝えることができる。だがエスピナル氏は、VR や AR など没入感のあるビジュアライゼーションのプラットフォームが、クライアントやプロジェクト マネージャーとの対話をさらに向上させると話す。

「VRや AR などのテクノロジーの出現により、ゴーグルを装着させて空間内を案内し、“この天井は低すぎると思われますか? この廊下の幅で問題ないでしょうか?”と尋ねることができるようになりました」と、エスピナル氏。「今やクライアントは実際にデザインを体験できるのです。これによって、クライアントは善し悪しに関する意見を、より明確に表明できるようになりました。これまで以上にデザイン プロセスに参加できるということです」。

建築 コラボ ヨーク大学 学生センター トロントcannondesign
トロント・ヨーク大学の新学生センター [提供: CannonDesign]

5. 情報共有は環境保護への責任

材料の再利用やムダの削減、自然光の最大限の利用から、その他の条件に合わせた建物の向きの検討まで。気候変動によって、設計者がサステナブルかつレジリエントな空間を生み出すよう求める圧力はますます高まっている。気候変動は建造環境を脅威にさらすが、自社独自のサステナビリティ ソリューションの開発に時間とリソースをかけることは、環境保護上の責任ある行動とは言えない可能性がある。

「サステナビリティへの配慮に熱心に取り組んでいるのであれば、透明、不透明のどちらのガラスを採用するか、ビルの向きをどうするのかなどを検討し、それをモデリングして選択肢を検証するようになる筈です」と、エスピナル氏。「試行錯誤を繰り返せば、それは情報の一部になります」。設計者には、この見識を共有する責任があると氏は話す。「環境に対する責任は必ず取り組まなければならないことであり、競争し合うべき分野ではありません。地球は、ひとつしかありません。得られた知識やベストプラクティスは、秘密にしておくべきではないのです」。

#AR - #VR - #コラボレーション - #ジェネレーティブ デザイン - #チーム管理 - #ビジュアライゼーション - #プロジェクト管理

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