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データの相互運用性がコラボレーションに革新をもたらす理由とは
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データの相互運用性がコラボレーションに革新をもたらす理由とは

建設・エンジニアリング業界における大きな問題を解決するため、オートデスクの製品担当重役が解説。広範なコラボレーションの新時代の到来に向けて、データの相互運用性の広がりが必要である理由とは。

by Amy Bunszel, Autodesk EVP
エンジニアリング - 2021年3月30日
データ 相互運用性
データの相互運用性が急激に向上しており、建築家やエンジニア、請負業者、協力会社、オーナーがシームレスにコラボレーションできる世界が手の届くところに来ています。
  • 建設業界の途絶されたワークフローによる非効率や「BIM 疲れ」
  • 手戻り・手直しの半分以上が不十分なデータと誤解によるもの
  • 共通言語、共通データ環境の必要性
  • ファイルでなくデータの相互運用化

建築家やファブリケーター、協力会社、プロジェクト オーナーにとって、最良なコラボレーションの形を想像してみよう。それはどのようなものになるだろう?

それは、どのメーカーが開発したのかを問わず、あらゆるソフトウェアがコミュニケーションできる世界かもしれない。あるいは、各部門間でのシームレスな情報フローが存在するため、各プロジェクトで作業内容のリモデルや複製が不要な世界かもしれない。さらには、コラボレーター全員が共通データ環境で作業を行え、必要とする重要情報にいつでもどこでもアクセスできる世界かもしれない。

データの相互運用性が支える、こうした素晴らしい世界の実現は目前に迫っている。設計・製造に特有の課題へソフトウェア ツールとビジネス モデルを適応させるための、AEC (建築・建設、エンジニアリング) のプロやチームによる実験や問題解決、技術面での機敏性が、業界を前進させているのだ。

これは AEC 業界のイノベーターたちによるものであると同時に、万人のためのより良い BIM という共通理念の下に集結し、API の公開やコードベースをオープンソース化、基準に関する議論を行ってきた多数の企業や組織、業界団体、個人の貢献によるものでもある。

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よりダイナミックかつカスタムメイドな、顧客主導による AEC テクノロジーのエコシステムというアイデアが生まれ、それが成長、熟成していく姿に、私はわくわくさせられている。そしてこれにより、ある問いが大きく浮かび上がってくる。その適用が均一でない状況で全員がうまく連携するには、どうしたらよいのだろうか?

データの相互運用性における課題

この業界は、データの相互運用性に関する課題をよく理解しているとも、何も知らないとも言えるだろう。途絶されたワークフローがパートナーとの日々のコラボレーションを妨げ、手戻り・手直しや回避策の採用が余儀なくされることが、収益の縮小、不満や「BIM 疲れ」の原因となっている。

それは損益にもはっきりと現れている。2016 年のマッキンゼーの分析によると、建設プロジェクトのうち最大 20% で遅延が、また 80% で予算超過が起きている (PDF p.18)。こうした損失は、プロジェクトに携わるさまざまな関係者が分担することになるが、オーナーの責任は不釣り合いに大きい。

その一方で、FMI とオートデスクの投資先企業 PlanGrid が 2018 年に行った研究 (PDF p.7) は、建設分野におけるデジタル化に着目し、手戻り・手直しの 52% が不十分なデータと誤解によるものだと分析。これにより、米国内だけで 3.4 兆円以上の損失が生じているとしている。このレポート (P12) では、建築分野の被雇用者は週平均 14 時間以上、勤務時間の約 35%をプロジェクト データや情報の検索、ミスの軽減、手戻り・手直しの管理、干渉の解決に費やしていることが明らかになっている。

データ 相互運用性
相互運用性の欠如とは、スペイン語とフランス語で会話するようなものだ。共通する語彙は存在するかもしれないが、意思疎通を図るにはどうすればいいだろう?

業界は、メーカーにより異なるデータ形式や、問題のある標準規格、単なる技術的負債など、不適切な相互運用性の原因が生じさせるコストを、把握し始めたばかりだ。これにはソフトウェア開発の観点からの提起が重要だ。デザイン/エンジニアリング企業の独自が開発、評価する専門ツールにおいて、その有望性の評価には市場機会の獲得能力が欠かせないからだ。言い換えれば、ソフトウェアの社内開発を検討中の建築事務所ならば、プロジェクトの成功率や市場における商業的勝算が、どれくらいのものなのかを把握しておくべきだ。

データの相互運用性がもたらす機会

この 39 年にわたり、オートデスクは相互運用性に関連する新技術に数々の賭けを行ってきた。それは、ハードウェア プラットフォームで実行可能な CAD ツールである AutoCAD であり、DXF やオープン ファイル形式であり、IAI だった。また、Dynamo の場合は、デベロッパー精神とオープンソース コミュニティに後押しされた、直感的なビジュアル プログラミングの民主化の持つ影響力だった。クラウド コンピューティングで当たり前になる前の API もそうだ。競争と連携の両方を育てる、ESRI や Bentley、Schneider Electric、Trimble などとのパートナーシップもそうだった。

そして今、私は AEC 業界にとって、相互運用性に関する重要な賭けがあると考えている。それはオープンデータ標準、共通データ環境、API とクラウド コンピューティングだ。

オープンデータ標準により、プロジェクト チームにはプロジェクトの全ての局面で相互運用性を生み出す共通データ言語が必要となる。外国語を考えてみるとよいだろう。自分はフランス語を、相手はスペイン語を話すような状況だ。多少は共通する語彙があるかもしれないが、意思疎通を図るにはどうしたら?

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業界コンソーシアムの buildingSMART International は IFC より、まさにこのような AEC データのための共通語の開発、推進を行っている。境界を超える連携は、現在はファイルベースの参照とデータ交換となっているが、標準に関する議論を仲裁し、大枠での合意と導入の要請を図る buildingSMART のような中立的組織の役割は、過密するエコシステムにおいて、ますます重要なものになるだろう。オートデスクは戦略諮問評議会のメンバーとして buildingSMART と連携し、ファイルからクラウドへと移行することになるであろう相互運用性の技術ロードマップと足並みを揃えている。

業界全体のコンセンサスとして、共通データ環境の必要性も挙げられる。グローバルなプロジェクト チームが分散し、特に新型コロナウイルス感染症の世界的流行による業務中断が長引くような状況においては、AEC 企業にはクラウドネイティブのコラボレーションプラットフォームが必要だ。

クラウド技術はとりわけ重要だ。大規模な建造物やインフラのプロジェクトには何百もの企業が関わることになるが、クラウドならいつでもどこからでもアクセスでき、それを関係者全員で活用できる。

BIM は当初から全関係者が共有できる統合モデルを提供してきたが、BIM をクラウドに移行することで、AEC 企業はパートナーへ、業務遂行に必要な情報へのアクセスを、よりシームレスに提供することができるようになる。常に最新の情報へ、目的に適した形式でアクセスが可能だ。

データ 相互運用性
2017 年のノルウェー・オスロ空港拡張工事で義務化された相互運用性の規格により、手作業による変換プロセスにかかる、数千時間もの作業時間の必要性が排除された

2017 年のノルウェー・オスロ国際空港の拡張工事は、相互運用性標準がプロジェクトで重要な役割を果たす好例となった。オーナーである Avinor AS はプロジェクトの全関係者に、BIM の使用とプロジェクト成果物の IFC による引き渡しを義務づけた。IFC には数百に及ぶ業種特有のモデルと、200 万以上のユニークなオブジェクト (扉、壁、スプリンクラー、照明器具など) が含まれている。この決断が、プロジェクトにおける手動での変換プロセスの必要性が低減し、プロジェクト全体で数千時間もの工数が排除されて、オーナーの満足度も高まった。

ファイルでなくデータの相互運用化

相互運用性を持つ IFC ファイルはプロジェクトに大きな影響を与えているが、buildingSMART などの組織は、AEC コラボレーションの未来はファイルだけに留まらないと考えている。ファイルは大まかな情報伝達を行えるが、より重要なのは特定のワークフローや成果に必要な、粒度の高いデータを伝達する能力だ。特定のワークフローと、意図する成果の実現に必要なデータのみに焦点を合わせることができるデータ API は、より安全で軽量なワークフローを作り上げる。

エイミー・バンゼルからの、さらなるアドバイス
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Autodesk Forge などデベロッパー プラットフォーム上のクラウドベース API は、デザインや技術データを増補、統合するアプリケーションを構築し、既存のソフトウェアシステムをつなぎ、より良好かつ迅速な業務を支援する新しいワークフローを作成することを可能にする。また API は、ますます大規模になるモデル間のデータ交換における、パフォーマンスの問題を緩和できる。

例えば、従来は機械設計ソリューションと建築設計ソリューションの間でのコミュニケーションは困難だった。APIベース、データベースのアプローチは、こうしたやりとりをずっと簡単にする。例えば、大規模集合住宅の屋上に設置する HVAC (冷暖房空調設備) システムのデザイン データにアクセスする必要があるとしよう。API アプローチなら、巨大なファイル全体でなく、的を絞ったデータのみを取り込むことができる。

データ 相互運用性
データ API は、集合住宅の HVAC システムのデザイン データなどタスクの関連情報のみを転送するため、プロセスを高速化し、知的所有権を保護できる。

ここでは粒度が重要な原則になる。巨大なファイルを細分化することで、データ転送を高速化できる上、知的所有権も保護できる。集合住宅の屋上に設置する HVAC システムの種類の指定に、そのシステムの製造と同レベルの情報は必要ない。むしろ建築基準法に関する情報や占有者の快適度の要件、プロジェクトの環境上のサステナビリティ目標を組み合わせる必要がある。こうした要素から、必要なシステムの規模と種類が定義できる。この情報でユニットの正確なサイズを把握し、建物屋上に収まるかどうかを判断可能だ。

これらのワークフローを支援する形状とメタデータ (BIM 対応コンテンツとも呼ばれる) を提供することにより、VAC メーカーは、その設備が事前に細かく指定される可能性を高められ、建築事務所はそれがクライアントの運用目標に合致することを確信でき、オーナーは高価な手戻りのコストを排除できる。

一致団結して進む

データの相互運用性は、建築家からオーナーまで、関係者全員にとって重要かつ革新的な要素だ。効率性と生産性の向上という分かりやすい利点を持ち、共通データ言語とシームレスなデータ交換を実現する相互運用性により、AEC 業界には共通の利益をもたらす連携が可能となる。

データの相互運用性は、建築家からオーナーまで、関係者全員にとって重要かつ革新的な要素だ。効率性と生産性の向上という分かりやすい利点を持ち、共通データ言語とシームレスなデータ交換を実現する相互運用性により、AEC 業界には共通の利益をもたらす連携が可能となる。AEC 業界の目前には、気候変動や都市化、今後のパンデミックなどでもたらされる最大規模の問題に対処し、解決しなければならない現実が横たわっている。だが、よりコラボレーティブに連携することで、AEC 業界はより入念な準備が行える。それにより、コラボレーションの理想郷へと、少しずつ近づくことができるのだ。

#クラウド - #コラボレーション - #ビッグデータ - #プロジェクト管理
エイミー・バンゼルは建設・エンジニアリングの設計ソリューションを担当するオートデスクのエグゼクティブ バイス プレジデント。
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