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ジェネレーティブデザインが支援する、空間を最大限に活用した展示会の設計
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ジェネレーティブデザインが支援する、空間を最大限に活用した展示会の設計

設計事務所のPopulousにとって、ジェネレーティブデザインによるプロセスは全く新たな世界を切り拓くものとなります。馬や家畜の展示会や品評会のレイアウトが容易に行えるようにするための、まだ入り口にいるに過ぎません。

by Patrick Sisson
建築 - 2021年11月30日
Populousがデザインしたオクラホマ州の多目的会場 Grady County Fairgrounds
Populousがデザインしたオクラホマ州の多目的会場 Grady County Fairgroundsでは、家畜品評会やホースショー、博覧会やロデオなどさまざまなイベントが開催される [提供: Populous Architects]
  • 馬の展示会や家畜の品評会では空間を最大限に活用するプランニングが重要であり、それには長時間のデザイン作業が必要となる。
  • グローバル企業であるPopulousは複数のイテレーションを作成するジェネレーティブデザイン・プロセスにより、人間の手によるデザイン時間を劇的に短縮させた。
  • Populousの建築家たちはジェネレーティブデザインにより、従来は2週間かかっていたデザインプロセスを4時間で完了させた。

デザイナーが直面するクリエイティブ面での制約の中でも、最も厄介なのが時間だろう。

スタジアムやアリーナを専門とするグローバルな設計事務所Populousの場合は全てのプロジェクトにおいて、その予算や競技、ロケーションを問わず、納期という制約、そしてファンや選手、売店など多くの要素を細部まで統一感を持った全体像へ収めるという制約がある。

オクラホマ州ノーマンにあるPopulousのオフィスで働くデザイナーのクリステン・ガードナー氏にとって、こうした空間パズルを解くための時間のかかるプロセスは馴染み深いものだ。ホースショーや家畜品評会場の設計チームに属するガードナー氏が担当している仕事に家畜用ストール (檻) のレイアウト作成があり、その構成はイベント中に何度も変更されることもある。キャパシティと柔軟性を最大化しつつ、全体としてまとまりのあるデザインを生みだすという複雑さは、スタジアムの客席デザインや会議場のフロアも同様だ。この機械的な手順で行われるデザインの反復作業には、新たな会場計画を行う度に何週間もの時間が必要になる。

アリゾナ州スコッツデールの馬術競技場兼イベント会場WestWorldの外観
アリゾナ州スコッツデールの馬術競技場兼イベント会場WestWorldの改修工事で、Populousのチームは座席数を維持したままファン向けの設備を充実させた [提供: Populous Architects]

複雑なデザイン課題に要求される革新的なソリューション

こうした課題は、多くの建築家にとって身近なものだろう。例えばコンクリート床で中央に数本の柱があるだけの開放的な大展示室を、さまざまなクライアント、規模、シナリオに対して占有率を最大限に高める、というようなことだ。

家畜品評会向けのデザインとなると、この話はたちまち複雑なものになる。馬用 (約3×3m)、豚用 (約1.8×1.8m) でサイズが異なるストールなど、構造物のサイズはさまざまだ。それ以外の構造物のレイアウトやデザインでも占有率は重要であり、またクライアントがマルチモジュールの設備やより大型の会場を求めることが増えているため、より細かなプランニングを行う必要がある。

Populousの馬/家畜部門の設計チームは、Autodesk Dynamoのジェネレーティブデザイン機能を活用することで、より合理的なアプローチを見出した。このテクノロジーは、テストランのジェネレーターだと理解するといいだろう。建築家やデザイナーが論理と要件、制約をコード化すると、ジェネレーティブデザイン・プログラムは、そのさまざまな解決策をひとつずつ検討。そして多数の選択肢を吟味することで、無限のバリエーションの中から最適な答えを導き出す。これは人間のデザイナーが探求するには時間がかかりすぎる、複雑なプロセスだ。

「時間的な制約がないので、最初に思いついた2、3のアイデアやレイアウト、デザインに縛られず、好きなだけテストできます」と、ガードナー氏。「10分間で10のアイデアを出せるなら、その検証も素早く行えます」。

Bennett Event Centerの外観とフェアが行われている駐車場
Oklahoma State Fair内にあるBennett Event Centerでは、ホース ショー、バスケットボールやレスリングの州大会決勝戦、ロデオ、コンサート、「ディズニー・オン・アイス」の公演などが行われる [提供: Populous Architects]

今回のケースでは、Populousが檻の寸法、間隔、希望する通路、長年のプロジェクト経験で蓄積された知識を入力しすると、スクリプトは候補となるパラメーターとソリューションを迅速に出力した。あるプロジェクトでは、チームはジェネレーティブデザインを夜通し走らせ、翌朝には解析すべき5つのベストソリューションを手にした。これが最終的な設計図となるわけではない。ジェネレーティブデザインが処理するのは反復的なタスクであり、人間の設計チームは創造性を発揮して、より高次の問題解決に取り組む時間を増やすことができる。

Populousプリンシパルのチャーリー・コラリック氏は、ジェネレーティブデザインの利点はプロジェクトの効率化に留まらないと話す。「ジェネレーティブデザインのテクノロジーで得られる生産性の効率化は、同じ品質の製品を競合他社よりも早く、かつより安く提供する機会だというのが、我々の従来のモデルでの見方です。しかし、私はそうしたモデルには満足していません。それだけでは、起業家としての創造性や卓越性、誠実性、歓びというPopulousのコアバリューにとっては不十分です」。

コラリック氏は、企業が反復作業に費やす時間を最小限に抑えて他社との差別化を図ることに集中すれば、業界のオピニオンリーダーとして、より高レベルの価値を実現できると説明する。「これにより、クライアントに提供するものやサービスに、大きな価値と革新性を提供できる余裕が生まれます。それは技術力とイノベーションを活用し、クライアントの信頼を集めるアドバイザーとして市場でのポジショニングをさらに強固なものとする、最高レベルの価値につながります」。

テクノロジーを通じた今後の改善策の発見

未来の品評会会場を生み出すべく、Populousのチームは、あらゆる規模の建築やデザインにメリットを提供するシステムを考案。それはジェネレーティブデザインによる、家畜品評会やアリーナの最適なレイアウトを迅速に検証、反復、選択できるプロセスだ。

こうしたプログラムは、クラウドコンピューティングの力を借りることで時間の制約無しにスクリプトを実行し、人間のデザイナーが必要とする数分の1の時間で何百、何千ものレイアウトを検証する。

「デザイン関連の仕事を奪おうとしたり、それをマシンに任せろと言っているのではありません」と、ガードナー氏。「ジェネレーティブデザインを使用すれば、数字やデータだけの問題に最適な解決策を見つけられるということです」。

Populousでデザイン/技術部門のマネージャーを務め、スクリプトのデザインとアプリケーション作成に関わったジェイソン・ガードナー氏は、このプロセスは興味深いものだったと話している。「牛や鶏、豚、馬について、こんなに学ぶことになるとは思いませんでした。あらゆる分野の勉強になりましたね」。

カルガリー・スタンピードのBMO Convention Centreのレンダリング
カルガリー・スタンピード会場を拡張した、2024年竣工予定のBMO Convention Centreは、PopulousがStantec、S2と協同設計したもので、カナダ西部最大の会議施設となる [提供: Populous Architects]

イノベーションの文化を奨励

「Populousのようなデザイン界を牽引するグローバル企業が、フロアレイアウトのテンプレートをボックスで埋めるソフトウェアの開発に時間とリソースを費やすのは、少し矛盾していると思うかもしれません。でもこうした技術の革新と探求は、弊社のデザインがどう機能するのかを設計チームとクライアントが理解するのに役立ちます」と、コラリック氏。「プロジェクトの遂行可能性、建設可能性を証明できないのであれば、それは建設すべきでないし、建設できないでしょう」。

Populousの業務において学習、革新、探求の機会を活用することは重要な役割を果たしており、これこそが複雑で困難な設計の問題に独創的な解決策を見出すための実験を行えた理由だ。「弊社は自らイノベーションを起こそうとする人々に、非常に寛容です」と、ジェーソン・ガードナー氏。「インターンであろうが責任あるプリンシパルであろうが、自らの意見やプロセスを話す機会が与えられます。オープンであること、コラボレーティブであること、耳を傾けることは、企業として重視している点だと思います」。

それは全般的な、新しいプロセスや技術の導入にまで及ぶ。「この文化は社内で発展し続けており、多くの設計チームが、デジタルデザイン機能における表現と創造性の自由を発見しています」と、コラリック氏。「その最大の動機は、Populousが取り入れている革新的な技術ソリューションで設計チームが生み出した素晴らしいイノベーションに対する、社全体からの称賛にあると思います」。

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プロジェクト数と収益性、パートナーシップの工場

Populousのジェネレーティブデザインの導入は、コロナ禍により数々のデザインプロジェクトがお蔵入りとなったのと時を同じくして行われた。Populousは、これを業界への貢献を行う好機として活用し、ジェネレーティブデザイン、キャパシティモデリング、クラウドモデリングなどのデザイン技術を利用して、クライアントや関連企業の会場再開の計画や戦略の周知を行っている。ここ数カ月で多数の新規大規模プロジェクトが決定・再開し、パンデミック中の低迷期に開発された技術革新が活用されている。プロセスへの投資が功を奏し、ガーデナー氏は先日、従来は2週間かかっていたような1,800もの檻を含む新会場のレイアウトを、わずか4時間で完成させた。

「弊社が行っているのは、クライアントのニーズと市場の需要に基づいて会場のサイズを適正化し、我々の提案が計画上のニーズを満たし、成長をもたらして、マルチユース機能に対する市場の実現可能性の要求に適合していることを示す概念実証の提供です」とガードナー氏は話す。

コラリック氏は、こうした姿勢がジェネレーティブデザインの最大の利点を強化すると考えている。「ジェネレーティブデザイン・テクノロジーの最も成功した活用法は、機能と運用、イベントに内在する複雑な課題を、データドリブンなデザインソリューションで解決するべくクライアントと連携するという、我々の強みに由来するものです。我々はデザインコンセプトをデータとグラフィックで迅速に証明し、関係者たちの複雑なグループを、フォーカスしたデザインの方向性に向かわせることができます。それがジェネレーティブテクノロジーのもたらす最高の価値であり、我々はまだその入り口にいるに過ぎません」。

#クライアント マネジメント - #ジェネレーティブデザイン - #チーム管理
パトリック・シソンはシカゴ在住のデザイン&カルチャー・ライターで、彼の原稿は Dwell や Pitchfork、Motherboard、Wax Poetics、Stop Smiling、Chicago Magazine などに掲載されています。
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