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建設機械の電動化が、よりグリーンな建設現場を実現
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建設機械の電動化が、よりグリーンな建設現場を実現

よりグリーンでサステナブルな建設現場を実現するため、電動化されたパワーショベルやクレーンなど新世代の建設機械が世界中で開発され、実際に建設現場で使われるようになっている。

by Patrick Sisson
建設 - 2021年1月21日
eletric construction equipment
ノルウェー・オスロの Olav Vs Gate 建設現場は SUNCAR HK AG が共同開発した 2 台の 8.5 t ZE85 電動ショベルによりゼロエミッション プロジェクトとなっている [提供: SUNCAR HK AG]

2020年の夏、香港の街の未来を構築するべく、地平線のはるか上を建設用クレーンが忙しく動き回っていた。それは、建造物のグローバルな建設手法の転換を示す機会ともなった。

このバッテリー式クレーンは、Hong Kong Science Park (香港科學園) の建設が行われているGammon Construction (金門建築有限公司) の工事現場で、完全に電化された建築現場への転換 (PDF p.14) を、いち早く示す例となっている。こうした重機は電気で駆動されていることが多い。だが非常に大きなパワーを必要とするため、送電系統のショートを防ぐため、現場では環境に悪いディーゼル発電システムが使用されている。だが、この事例では Enertainersと呼ばれる、キャンピングカーサイズの大型リチウムイオンバッテリーからクレーンに電力が供給された。そう、現場ではお馴染みの排ガスの放出に取って代わる手段が存在しているのだ。

このGammonの現場は、同社が予定する初めてのオール電化プロジェクトのひとつになっている。サステナビリティの向上と二酸化炭素排出量の削減を容易にしている要因は、バッテリーコストの急落だ。チューリッヒを拠点とし、建設機械の電化に重点を置くSUNCAR HK AGのシュテファン・シュナイダー社長によれば、施工会社を電化から阻んでいる主な障壁は3つある。それは電動式の建設機械の方が高価であること、予算内で入手可能な機械の選択肢が比較的少ないこと、そしてバッテリー性能の制約によって充電のために作業の中断・再開の回数が増えることだ。

16tのバッテリー駆動油圧ショベルと55tの掘削リグでSUNCAR HK AGが実施している建設機械の電動化の例
SUNCAR HK AGにより電化された16tのバッテリー駆動油圧ショベルと55t掘削リグにより行われたゼロエミッションの基盤工事 [提供: SUNCAR HK AG]

電動建機や水素エネルギーの活用によるゼロエミッション建設現場の実現

テクノロジーの向上と現地の法規制・指令の整備により、再生可能な建設機械の採用は加速している。昨年ノルウェーのオスロでは、初のゼロエミッション建設現場が着工した。オスロ市は全建設現場に、このサステナビリティ目標の2025年までの実現を義務付けている (PDF p.6)。ノルウェーの業界リーダーは、2030年までに電気または水素という選択肢が利用可能となり、広く使用されるようになると話す。両目標の達成は、二酸化炭素排出量の大幅な削減となる。オスロ市気候局の分析では、建設分野はオスロと同等の都市の年間排出量の5-10%(PDF p.6)を占めている。

建設機械メーカーにも、さらに多くの工事用電動車両を出荷する予兆が見て取れる。Doosan Bobcat (斗山ボブキャット) は、油圧/電力ハイブリッドシステムを搭載した油圧ショベルの新たなラインを2020年末までに開始開始すると発表しており、またボルボも2020年内に電動ショベルとホイールローダーの受注を開始予定だ。Rocky Mountain Institute の分析によると2023年までに電動・燃料電池式大型トラック全19種が北米で購入可能となり、既に5種は販売中だ。

電動化された建設機械が実現するメリット

絶え間ない騒音と発電機から出る臭い煙、大きな音を立てて一帯を終日トラックが走り回る工事中の建設現場のそばに住んだことがある不運な人であれば、全電気式でバッテリー駆動による建設の利点を誰もが直感できるだろう。

「建設現場での健康や二酸化炭素排出量、騒音に関する規制は、ほとんど存在しません」と、シュナイダー氏。「これは一般市民の、ゼロエミッション建設の実現に対する関心の欠如が原因です」。電気式の建設機械を使用することで、煙や騒音のほとんどを排除でき、作業員や一般市民も有毒な煙や亜酸化窒素への曝露を回避できる。

ディーゼルからの転換で、建設会社もさらなるメリットが得られる。電動エンジンは信頼性が高く、メンテナンスの必要性が低い。初期投資は比較的大きくなるが、信頼性の高い継続的な点検修理で相殺できることが複数の研究で分かっている。大型機械では大変な作業である給油は、充電に置き換えられる。また騒音と公害は工期の長期化につながることもあるが、香港のGammonの現場ではディーゼル燃料を使用しないため、法定の作業可能時間を超えた作業の継続ができ、工期の短縮につながった。自動車の排ガス規制が目安となれば、都市はその規制を適用し、より環境に配慮した機械の導入を推進するよう業界を支援できる。

電動化されたパワーショベル
採石場で破砕機に石を投入する電動ショベル [提供: SUNCAR HK AG]

米国では環境保護庁が定めた排ガス基準により建設機械のクリーン化が進み、さらなる性能の向上も要求された (現行のTier 4規制では、ごくわずかな窒素酸化物と粒子状物質しか認められていない)。シュナイダー氏は、バッテリーがより低価格、ハイパワー、高信頼性になることで、電機クレーンや重機を使わない言い訳も無くなると話す。SUNCAR HK AGはさらに1.6-16tのバッテリー駆動油圧ショベル、リープヘルと共同開発の全電気式掘削リグLB16 unpluggedを設計。ノルウェーの企業Nastaは38t電動ショベルを製造している。

「燃費の悪い機械では、1日の作業をカバーできるバッテリーの装着は困難です」と、シュナイダー氏。「ただし、ケーブルを使って大半の時間をグリッドから稼働させることが可能です」。

電動重機のテスト現場では、希望を持てる成果が得られている。ボルボとグローバルな建設企業であるスカンスカは、スウェーデン・ヨーテボリのヴァイカンクロス採石場で10週にわたる試験を実施。その結果、より持続可能なソリューションにより、建設現場の二酸化炭素排出量の98%、エネルギーコストの70%、オペレーターコストは全体で40%の削減につながることが分かった。

電動化した建設機械により、ボルボと建設グローバル企業スカンスカはスウェーデン・ヨーテボリのヴァイカンクロス採石場の二酸化炭素排出量を98%削減
10週にわたる試験でボルボと建設グローバル企業スカンスカはスウェーデン・ヨーテボリのヴァイカンクロス採石場の二酸化炭素排出量を98%削減した [提供: Volvo]

建設現場の二酸化炭素排出量を大幅に削減

この数字が、業界リーダーが電化を望む理由を示している。現在も大半の車両は電動/油圧のハイブリッドシステムで動いているが、従来の油圧式の挙動を模倣した高度なコンピュータープログラムで動作させた電動アクチュエーター (電気機械式の小型可動部品) に油圧系統を置き換えることで、全電気式による運用へと転換できる。現在、多くの企業が全電気式の検証用プロトタイプを有しており、それはこれらの多くがまもなく販売され、現場で使用されるようになることを示唆している。

環境に配慮した重機は、よりクリーンな輸送への転換も加速する。建設現場の電化は、大きな二酸化炭素排出源となっている、カリフォルニア州などにおけるトラック輸送や交通機関の電化を推進するイニシアチブと同時進行で進められている。米国では、交通機関による二酸化炭素排出量で突出しているのが貨物輸送で (27%)、そのほとんどが大型トラックによるものだ。カリフォルニア州大気資源局は先日、2045年までにトラック輸送の電化を義務付けるアグレッシブなWest Coast新規制を発表した。カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州はClean Transit Corridor Initiative (西海岸クリーン交通回廊イニシアチブ) の制定を推進している。このイニシアチブは、幹線道路としてカナダ国境からメキシコ国境まで南北に伸びる州間高速道路5号線沿いに、貨物輸送業者向けの電気車両充電ステーションのネットワークを構築するものだ。

建設現場は乱雑な場所だが、建設業界が真の二酸化炭素排出量削減を実現するには、建材運搬から電力供給まで、そのエコシステム全体が電化される必要がある。よりクリーンな未来を構築するという、困難だが必要な仕事をこなすことができる電動機械の選択肢は、幸運にも増え続けている。

#プロジェクト管理 - #資源エネルギー - #運輸
パトリック・シソンはシカゴ在住のデザイン&カルチャー・ライターで、彼の原稿は Dwell や Pitchfork、Motherboard、Wax Poetics、Stop Smiling、Chicago Magazine などに掲載されています。
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