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突風を嵐に: 製造ロボットが実現するウィンド ファーム建設のスピードアップ
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突風を嵐に: 製造ロボットが実現するウィンド ファーム建設のスピードアップ

再生可能エネルギー分野におけるデンマークの先進性に、さらなる革命を。デンマークの Odico は、小規模生産専門企業の生産性を 3 倍に向上する製造ロボットを活用することで、工場のフロアにスピードをもたらしています。

by Mark de Wolf
製造 - 2021年4月13日
Manufacturing Robots
デンマークは長年にわたり、再生可能エネルギーで世界をリードしてきた。Odico の製造ロボットは、この業界にさらなる革命をもたらし始めている。
  • 再生可能エネルギー分野におけるデンマークの先進性に、さらなる革命を
  • 小規模生産専門企業の生産性を 3 倍に向上するロボット
  • ロボットによる穿孔と最新の CAM 技術でタービンブレードの加工を大幅に効率化
  • ロボットによる自動化が変化させる、人間とデバイスの連携方法

デンマークは長年に渡り、再生可能エネルギーの分野で世界をリードしてきた。2019 年には、風力発電だけで国内電力消費の 47% をまかなうという新たな記録を達成。そして現在、デンマーク企業 Odico の製造ロボットが、この先駆的な業界にさらなる革命を起こし始めている。

金属板にドリルで穴を開けるのは簡単でも、それが北海上で、重量 10.8 t のアルミニウム製ブレードをタービンに取り付けるためのものとなると、その手法はかなり重要なものになる。数か月に及んだ設計、製造、組み立ての作業が、mm 単位のずれが生じるだけで無駄になってしまう。

Odico のミッションのひとつに、苦心して設計した高価な部品をくず鉄の山にしないことがある。先進ロボット工学を専門とする同社が開発するのは、臨機応変に再調整できる、スーパーアジャイルなモバイル製造ロボットだ。このロボットは小規模生産に特化した企業の工場の生産性を 3 倍に向上できるため、風力タービンの建設には最適だ。

それが可能である理由は、生産数が少ないことにある。通常の生産工程では何万というユニットが想定されているが、この場合は何百という規模だ。そのためエンジニアは継続的にアップデート、改良、向上を加えることができるが、その一方で標準化は困難になる。新規注文の度に図面へ戻らなくてはならないからだ。

Odico 製造ロボット 小規模生産 特化
Odico のロボットは小規模生産専門の企業の工場内の生産性を 3 倍にできる [提供: Odico]

そこで Odico が生み出したのが、複雑な金属面に正確なパターンを繰り返し自動穿孔できる強力なロボット、Drill Mateだ。各ユニットにはファイルから工場までのシームレスなワークフローを支援する演算機能が内蔵されており、デザイナーはその場でラピッド プロトタイピングを行い、作業員はその変更を現場で素早く実行できる。

2024 年までに風力発電をほぼ 80% まで増加させることを目指すデンマークの活況な再生可能エネルギー分野で、こうした機能は Odico の顧客の生産性を 3 倍に向上させ、アジャイルで継続的な改善を可能にしている。

タブレットからの製造

タービンのブレードのように大きなものにドリルで穴を空けるのは、従来は手作業で行われていた。各穴を指定された種類や形状、深さ、直径、位置、クオリティの仕様へ正確に合致させるのは、大型のドリル装置を使用する人間のオペレーターの責任だった。

製造 ロボット Odico
Odico 設立者兼 CEO のアンダース・ブンドスガード氏

その仕様のリストは長くなり、ドリル装置自体の完璧な調整、装着と厳格な保守が要求され、操作卓の担当者にはスタミナと忍耐が必要だった。その上、相当な時間もかかった。

Odico 設立者兼 CEO のアンダース・ブンドスガード氏は「現在はタービンブレードの側面をクレーンで移動し、それぞれの穴をドリルで空けています」と述べる。

オペレーターが 1 つの穴を空け終わると、プロフィールが別の位置へと移動し、正確な仕様に合致するよう指定位置に固定される。各プロフィールには最大 48 個の穴が必要となるため、この操作には慎重を要する。順調に進められても、1 日に完了できるのは 6 つ程度だ。

Odico の Drill Mate は、ロボットを使用した穿孔と最新の CAM 技術で、その全てを簡略化する。高精度かつ高負荷の作業向けにデザインされ、工場内での迅速な組立を可能にするモジュール方式を採用。多面のドリル ヘッドと 6 軸マニピュレーターによりロボットの機動性が高められている。ロボットは、ソフトウェアからドリルの指令を受け、常に完璧な穿孔を行う。

この精度の高さにより、プロセスのリスクが軽減され、大幅な高速化を実現。生産性とレスポンシブネス向上を目指すメーカーにとって、これは膨大なメリットとなる。ターンアラウンドの短い、比較的小ロットの生産に特化した企業にとって、Drill Mate の高度なプログラム機能と柔軟性は理想的なものだ。

短期製造に順応する

この成長する市場に合わせて商品を洗練させるべく、ブンドスガード氏と製品開発チームは Drill Mate を標準の CAM ワークフローへよりシームレスに組み込み、現場の作業員がドリルの仕様変更をより簡単に行えるような方法を試みた。

Odico はオートデスクと連携し、Drill Mate を Autodesk Fusion 360 に統合。タブレット上で数タップするだけで、Fusion 360 の CAM インターフェースを使用して、工場内でドリルの座標と仕様の変更を実行できる。これは短期生産や 3D プリントといった業界トレンドに合致する、改革的なイノベーションだ。

「100 や 120 などの少量生産の工場では、従来の方法での生産の自動化はできません」と、ブンドスガード氏。「風力タービンによる再生可能エネルギーなど、新しくダイナミックな分野では、デザイン チームの DNA に継続的な革新と向上が刻み込まれています。でも、ほとんどのロボット製造システムのルーツは、10 万の自動車や部品が一度に生産される自動車産業にあります。迅速な変化に対応できるような体制ではないのです」。

製造 ロボット Odico
Autodesk は Odico と連携して Drill Mate を Fusion 360 に統合させた

「設計仕様の変更は難しく、通常はデザインやエンジニアリングの学位を持つ人材が必要になります」と、ブンドスガード氏は付け加える。「弊社の新しいシステムでは、CAD/CAM インターフェースを使用できる人であれば、数時間で変更が行えるようになります」。

仕事を守りつつ生産性を向上

今までのところ、Odico によるロボットの導入は素晴らしい結果をもたらしている。従来の手動システムや機械を使用する製造業界のクライアントが 1 日に完成させる風力タービンのプロフィールは約 6 面で、これが業界の標準的なレベルとなっている。その一方、Odico のソリューションを使用すれば、18 面にそれぞれ 48 個、合計 900 近くの穴を空けることができる。

だがブンドスガード氏は、こうした驚くべき生産性向上をもってしても、ロボットが職場における人間と機械のバランスを揺るがすことはないと考えている。彼の視点では、ロボットによる自動化は仕事を奪うのではなく、単に人間とデバイスが連携する方法を変えているだけだ。

「ロボットは製造の仕事を守っているのです」と、ブンドスガード氏。「現在、私たちは低賃金の市場と底値を争うというリスクを犯しています。それによって最大の損害を受けるのは現場の作業員です。ロボットを個々のニーズへの適応力を持つものにすることで、私たちは市場の進む方向へと進路を合わせているのです。スキル向上はもちろん不可欠ですが、人間が置き換えられるのでなく、ロボットの応用の拡大に合致するよう、職務が変わっていくのだと考えています」。

In Bundsgaard's view, robotic automation isn’t so much eating jobs as merely changing the way humans and devices work together.
ブンドスガード氏の考えでは、ロボットによる自動化は人間の仕事を奪っているのではなく、単に人間とデバイスの連携方法を変えているだけだ

世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report 2020」(未来の仕事 2020) には、ブンドスガード氏に同意する雇用主が増えていることが示されている。そして、労働における人間と機械の役割分担の変化により、2025 年までに 8,500 万の仕事が置き換えられる一方で、9,700 万の新しい職務が登場する可能性があると予測されている。それは人間と機械、アルゴリズムの間の、新たな役割分担に適合するような職務だ。

そこに Odico のポップアップ工場やトレーラーに設置されたミニ製造施設など、よりポータブルでアジャイルなソリューションが含まれることは、まず間違いないだろう。それらは建設業界向けにデザインされ、誰もが安全かつ簡単にタブレット操作でロボットを活用して、建設部材を製造できるようになる。これならサプライチェーンに近いところで製造を行えるため、地球の裏側のような遠隔地からの部品輸送の必要性も低下する。

「我々の究極のシナリオは、建設現場で働く人たちにテクノロジーの制御を任せられるようになることです」と、ブンドスガード氏。「その実現には、ツールのユーザーフレンドリー性の維持が重要です。工場にいる誰かに、15 分程度のトレーニングで操作を任せられるようになれば理想的です」。

#カスタマイゼーション - #時間管理
マーク・ドゥ・ウルフはテクノロジーのストーリーを得意とするフリーランスライター。チューリッヒを拠点とし、ライアソン大学ジャーナリズム学校を卒業。markdewolf.comでコンタクトできます。
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