建設業のスマートビル テクノロジーとともに歩む旅路
ボストンの公営住宅で育ったジミー・グロスマン氏は、自分が将来大手建設会社の米国 COO になるとは想像だにしなかった。だが 18 歳の時、自分が暮らす住宅の大規模改修に携わる機会を得て、そこでこの仕事と恋に落ちたのだ。「毎日仕事に行き、 150 名の熟練工たちと一緒にひとつの目標に向かって取り組むのが楽しくて仕方ありませんでした」と、氏は話している。
建設業界におけるグロスマン氏のキャリアと同様に、建設のテクノロジーとその活用も進展を遂げている。ボストンを拠点とする建設会社 Suffolk の米国 COO であるグロスマン氏が、自身のキャリアと、建設業界でスマートビル テクノロジーを活用することの重要さを語るビデオをご覧いただきたい。
[ビデオ字幕]
ジミー・グロスマン氏 (サフォーク National COO): 私はイーストボストンで育ちました。そのコミュニティには 自分たちが低所得者向けの住宅に住んでいるという雰囲気はありませんでした。世界は全て、壁の内側にありました。[コンクリートの壁に向かい] 昔は もっと壁が高いと感じていましたね。
18 歳が近付くと、将来について考えることが必要になります。そう、独り立ちをしなくてはなりません。周囲では誰も大学に進学しなかったので、選択肢としては思い浮かびませんでした。次のステップをどうすべきか、分からなかったのです。
ちょうどその頃、住んでいた集合住宅で大規模な改修が行われることになりました。今後どうすべきかの答えを探しているときに、その建設プロジェクトへ実際に関わる機会を得たのです。毎日仕事に行き、150 名の熟練工たちと一緒に、ひとつの目標のために取り組むのは本当に楽しかったですね。その後のキャリアにおいては、参加するプロジェクトの複雑度も高まるようになりました。関連するソリューションも、業界とともに成長を始めました。
サフォークの Smart Labsは、弊社のプロジェクトに関わるスタッフの素晴らしい取り組みの全てを、組織規模での取り組みに役立てる方法のひとつです。組織が成長し、より多くの取り組みがスタートして、社員がより知的な観点から興味を抱くようになると、現場でも技術面で優れた数多くの取り組みが見受けられるようになりました。BIM や建設のバーチャル設計を、新たなレベルに到達させたり、製造に対応した設計を行ったり、というように。そして Smart Lab で生み出したものをテストして、それが投資に値するものだと確認できたら、企業全体へと拡大するようにしたのです。
仕事を行う私の能力に関しては、キャリアの半ばで、テクノロジーがファシリテーターの役割を果たしていることを理解するようになりました。特に現場監督の仕事の場合には。現場監督は、まさに仕事が生活です。極めて広い範囲での意思疎通が必要になります。テクノロジーが、より多くのことを少ない手間で実現します。
あのプロジェクトでキャリアをスタートした 1992 年には、建設の仕事は乱雑で汚いもので、全ては 2 次元でした。それが現在では、ビルを建設する前にデジタルで世界を構築します。そのテクノロジーを提供するパートナー無しには建設できません。
私のキャリアで最もやりがいを感じたプロジェクトが、ロクスベリーの Kroc Center です。コミュニティの参加が重要で、要件にもなっていました。プロとしてだけでなく、個人としての目的も達成したいという情熱に火がつけられたように感じました。あの 25 年前の改修現場で建て直しが進められています。生まれ育った場所に戻ってきました。Orient Heights の若者たちに、この建設プロジェクトへの参加機会を提供できています。25 年前に私のように。
キャリアを振り返ると、この業界で一緒に働いてきた人々から得られたメンターシップで、プロとしてだけでなく、人間としても成長できたと思います。テクノロジーは私自身と、そしてもちろん建築業界の成長に大きな役割を果たしてきました。互いに助け合えればと思っています。最大規模の複雑なビルを建設することによってではなく、若者に有益な機会を提供し、暮らしに良い影響を与えることで。